持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.4

               カテゴリー : レポート

投稿日 | 2021年1月21日(木)

【「イマジン屋久島」オンライン連続講座 ~持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.4 浜本 麦さん レポート「生物多様性とはつながりの豊かさ」】

HUB&LABO Yakushimaの丸山です。
屋久島環境文化村センターで働きつつ、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副理事として活動しています。
イマジン屋久島のオンライン講座も第四回となりました。今回の講師は、くすの木自然館の浜本麦さん。重富海岸を拠点に、鹿児島の自然のすばらしさやその恵みの重要性を伝え守り、「人と野生生物が無理なく共生できる世の中を作ること」を目指している浜本さんのお話から、「気候や生物多様性から考える環境のビジョン」を「海の生物多様性」から探求しました。
そして、今回の記事は、鹿児島大学小栗研究室ゼミ生の早崎梨沙さんがピックアップ記事の作成をしてくださいました。ぜひ、大学生の早崎さんが浜本さんの話から何を感じられたかもお楽しみください。

※鹿児島大学小栗研究室
急激に進む「社会の変動」(人口減少・長寿化、集落消滅の危機、AI、IoT など)と「環境の危機」(気候変動、生物多様性の喪失など)の両方を見据えて、地域社会のこれからの姿を構想し、地域社会を創る主体(住民や行政など)に注目して、問題や解決の方向性を考える研究室。

 

「食卓に出ている魚が何を食べて生きているか考えたことがありますか?」

私たちは食事をとるとき、「いただきます」と命の恵みに感謝してからその命をいただきます。
しかし、浜本さんから
「食卓に出ている魚が何を食べて生きているか考えたことがありますか?」
という質問を投げかけられた時、その命がどのようにして生まれ、どのような環境で育ち、何を食べて生きてきたのかという、背景まではほとんど知らないということに気づかされました。
私たちが普段いただいている命が食卓に出てくるまでの背景に興味を持ち、その命が生まれ育つための環境を守るために必要なことを知る必要があると感じました。

 

「変える」んじゃない、自分が「変わる」

地域課題について考えるとき、現状をどのようにして「変える」かという議論がされることが多いように思います。
しかし、まずは自分が「変わる」べきであり、自分が「変わる」ことで家族、地域、社会、そして地球が「変わる」ことができるという浜本さんのお話を聞き、いきなり大きなことから始めるのではなく、身の回りから始めることが着実に環境を変えることにつながるのだと思いました。また、個人の持つ力の大きさも改めて感じることができました。

 

【質疑応答より】

屋久島に来た高校生を案内した方から、海を案内した時に浜辺に落ちていたペットボトルを拾って遊んでいた高校生が、帰るときになってそのペットボトルをまた海に捨てて帰ろうとしていたという話がありました。
その高校は理数に力を入れている学校だったそうです。
浜本さんは、海で遊ぶ体験や海に触れる機会が少ないと、知識をいくら蓄えても、そういった基本的なことに意識がいかない。
海に行く機会や触れる機会をいかに増やすかが大切なのではとおしゃっていました。

 

【最後に】

「生物多様性は、どう人間活動のつながりにつなげるか」

浜本さんは森と海のつながり、海と川のつながり、浅瀬と海のつながりをいかに人間活動のつながりにつなげるかが重要と伝えてくださいました。
また、今回ピックアップ記事を書いてくださった大学生の早崎さんも、講座の中で、一体大学生だからこそできることとはなんだろうか?という疑問を投げかけてくれていました。
まさにひとりひとりが、「自分ができること」を考え、行動すること、そしてその行動の多様性が生物多様性につながっていくのだと思います。

 

 

執筆者:丸山(まる)
屋久島環境文化研修センターのインストラクターをする傍ら、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副代表理事として活動中。今後は屋久島にある空き店舗を、屋久島の林業の発信基地+親子の集える場としてコーディネイトする予定。

ピックアップ記事:早崎 梨沙さん(鹿児島大学小栗研究室)

イマジン屋久島のヴィジョン