持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生み出している大人から学ぶ旅vol.1

               カテゴリー : レポート

投稿日 | 2021年1月21日(木)

【持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生み出している大人から学ぶ旅vol.1 山下賢太さん レポート「輝く離島 ~古いものを大切にしつつ、新しいものが育つ土壌をどう創るか~」】

イマジン屋久島のオンライン講座が走り出し、第1回目が9月16日に行われました。
連続講座の第1回目は、鹿児島の西、東シナ海に浮かぶ甑島で、豆腐を加工し、宿を営業して、自ら地域をデザインしている山下賢太さん。
テーマは「離島の可能性」。賢太さんのお話を聞いて、どんな屋久島の「地域とコミュニティから考える社会のビジョン」が見えるのか。
第1回目という期待とそわそわ感が入り混じる中、講座はスタートしました。

【輝く離島~古きものを大切にし、新しいものが育つ土壌をどう創るか~】

山下さんは13もの事業を展開されており、その様々なアプローチを聞くことができた今回。
お話を聞く中で、心に刺さる多くのフレーズをいただけました。たくさんありすぎて、すべてを紹介はできませんが、そのいくつかをご紹介します。

 

「何もない=全てある」

甑島は何もない島と地元の方は思っていたそうです。
そして、都会にあるものにあこがれる。これは屋久島でもよく言われることです。
しかし、あるものをしっかり見つめなおし、それをデザインすることで、島外だけでなく島民にも価値を発見してもらう。
それが地域にエネルギーにつながっていっているのだと、甑島の取り組みから感じました。

 

「人は、らしさに感動する」

その地域らしさとは?を考え、どの地域もやっていることではなく、その地域、そしてその人だからこそできること。
それをつきつめていったら、外の人を感動させるコンテンツにつながる。
では、屋久島らしさとは?
これがデザインできたとき、屋久島は世界を感動させることができる島になるのではないでしょうか。

 

「ここにいるいいわけ」 

今の世界、どこにいて、どんなことをしていてもいい時代になってきています。特に日本に生まれた私たちはその選択を持つことができる環境に多くの人がいます。
そのとき、山下さんが考えたことは、「一体自分はなんで甑島にいるのだろう。家業も継ぐわけでもない自分が、この島にいる言い訳とはなんだろう」と考えられ、今の活動をされているそうです。
言い訳を見つけることは、「良い訳」を見つけることで、「良い訳」はきっとほかの人を引き付ける魅力になっていくのだと感じました。

 

山下さんのお話のあとに、参加者の方から「屋久島は集落の色が強いから、ひとつにまとまることが難しい」というコメントが出ていましたが、そのあと他の方から、「屋久島らしさとは、集落らしさをそれぞれの集落が出したときに生まれる「多様性」が、実は屋久島らしさなのでは」という話が出ました。生物多様性が認められて世界遺産になっている島の、「集落多様性」は非常に魅力的なデザインになると思います。

 

最後に。

「子供たちが誇りに思う島」
けんたさんがおしゃっていた言葉ですが、まさにこれに尽きる気がします。これをつきつめていけば、きっとその地域の個性が発見でき、磨くことにつながり、他の人たちにも届く価値となる。そしてそれは、うわべの価値ではなく、その地域の本当の価値が磨かれていくことにつながると、けんたさんの活動をお聞きし、感じました。
「屋久島の子供たちが誇りに思える屋久島とは?」この問いをみんなで考え、取り組んでいきたいと思います。

 

執筆者:丸山(まる)
屋久島環境文化研修センターのインストラクターをする傍ら、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副理事として活動中。今後は屋久島にある空き店舗を、屋久島の林業の発信基地+親子の集える場としてコーディネイトする予定。

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