持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.6
カテゴリー : レポート投稿日 | 2021年1月21日(木)
【イマジン屋久島オンライン連続講座 ~持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.6 齋藤智彦さん レポート「循環型社会とリサイクル」】
HUB&LABO Yakushimaの丸山です。屋久島環境文化村センターで働きつつ、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副理事として活動しています。
いよいよイマジン屋久島のオンライン講座も残りわずか。第6回目の今回は、合作株式会社代表取締役・一般社団法人リバースプロジェクト理事・鹿児島県大崎町政策補佐監など様々な角度から「関係性による形の構築」をテーマに活動される齊藤智彦さんをお招きしました。
齋藤さんは社会に存在する関係性・プロポーションを調整・再構築することで、理想の形を作り上げる様々な活動を展開する活動を進めています。今注目を集める大崎町での最新の取り組みや今後の展望についてもお話していただきました。
「世界にある1700の埋め立て処分場 1400が日本にある」
衝撃でした。これを聞いてどう考えるか。どう行動できるか。深く考えさせられました。焼却場がないから、埋め立てているという場所も多くあるとのこと。人の手を、地球を汚すためのものとするのか。私たちは何を選択すべきなのか。
「大崎町のひとは、ごみと向き合って生活している」
大崎町では、資源ごみの回収は月に一回のみで、それを逃すと次の月の回収日まで待たなくてはいけないそうです。そのため大崎町の人は、自分のごみが何が出ているかを実感し、ごみと向き合うようになったそうです。通り過ぎていたものと向き合ったとき、それまで見えていないものが見え始め、これからの道が浮かんでくるのですね。
「生ごみの清掃をおがくずを使う」
大崎町の生ごみ処理施設では、生ごみ回収のバケツの清掃をおがくずで行うそうです。水で洗った場合、その水は汚水となり、汚水処理場を作る必要が出てきます。それを作らないために、おがくずを利用しているとのこと。そしてそのおかくずは生ごみと一緒に堆肥となっていきます。捨てるごみだったおがくずが、清掃道具に変わり、堆肥に変わっていく。これは家庭でもすぐに実践できる取り組みだと思いました。
「生きている以上、実はごみの量は変わらない」
1人1日あたりのごみの排出量は
全国900グラム
大崎880グラム
ちなみに屋久島は918グラム
と、大崎町は全国平均とそこまで変わりません。リサイクルが進む大崎町ですが、それが今後の課題と考え、上流(買うもの)の設計が今後重要になってくると考えられているとのことでした。
最後に
「年間450回」
いまでこそ、リサイクル率12年間日本一になり、SDGs未来都市に認定され、これから「リサイクルの町から、世界の未来を作る町」大崎町。サーキュラービレッジを目指しているいますが、焼却炉を作らない計画を決め、動き出した当初は非常に大変だったそうです。しかし、あきらめず、150の地域に3-4回説明会に回り、年間450回以上の説明会を実施し、今のカタチを作り上げられました。大崎町は埋め立て地があと数年で埋まるという切迫した状況があったからこそではありますが、地球規模でみればそれ以上に切迫した状況です。困難だからあきらめるではなく、未来に続く道を多くの方と屋久島からも作っていきたいと改めて感じました。
執筆者:丸山(まる)
屋久島環境文化研修センターのインストラクターをする傍ら、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副代表理事として活動中。今後は屋久島にある空き店舗を、屋久島の林業の発信基地+親子の集える場としてコーディネイトする予定。