持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.2

               カテゴリー : レポート

投稿日 | 2021年1月21日(木)

【持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.2 兎洞 武揚さん レポート「世界を変えるためのSDGs」】

HUB&LABO Yakushimaの丸山です。
屋久島環境文化研修センターで働きつつ、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副理事として活動しています。
イマジン屋久島のオンライン講座の第2回目が9月29日に行われました。
今回はSDGsの専門家、博報堂の兎洞さんをお招きして、持続可能な社会に向けて実践している実例などをご紹介いただきました。
テーマは「SDGs×市民運動・企業活動」。
SDGsとは?それを屋久島で解釈すると??
まさに、イマジン屋久島の大事な核ともなる部分ともなるお話。いろいろな実践例を示していただき、学びの多いなか、少しだけみなさんにシェアさせていただきます。

 

―そもそも、SDGsとは??―

① SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)
② 2015国連サミットで採択(2016-2030までの目標)
③ 17のゴール、169のターゲットが設定されている
④ MDGsの後継として採択
⑤ 今世界の国も企業も、このゴールに向けて動いている

 

「環境を土台に、格差のない社会をつくって、はじめて経済を回していける」

SDGsについては、様々な情報があります。
それを簡単に言葉とするとこれになるのではというお話をされていました。
屋久島はまさに環境を土台としてまちづくりをしてきた島。
SDGsという言葉によって、屋久島の価値がさらに世界に示せるという可能性を改めて感じました。

 

「解けないパズル」としてきたものを、「解かなきゃいけないパズル」と決めた人類の叡智

SDGsを兎洞さんの言葉で解釈すると、『「解けないパズル」としてきたものを、「解かなきゃいけないパズル」と決めた人類の叡智』という言葉になるそうです。
兎洞は、なんとなく「SDGs」という言葉でとらえるのではなく、それが何なのか自分なりの言葉に置き換えられるかが大切と話されていました。
みなさんが考えるSDGsとは何でしょうか?
それをそれぞれがとらえることができて、はじめて価値の出る言葉なのかもしれません。
そして、世界はいまSDGs基準で動いているとのこと。ある企業では、5Gを進めるなかでも、そのプレゼンテーションのはじめにSDGsの目標がでてくるそうです。

 

「世界を変えられるという感覚」

いまSDGsという言葉のもと、様々な取り組みが行われています。
ある徳島の高校では、生徒がJICAの助成金などをとって、学校がなくなりそうなカンボジアの地域に、お菓子で再興するという取り組みをしているそうです。
それらにかかわられる中で兎洞さんが感じられたことは、生徒やそれに取り組む人が「自分は世界を変えられる」という感覚を持っているということだそうです。

「こんな世界だから」ではなく、「こんな世界にする」

多くの人がそう思えたら、屋久島は、世界はどうなるのか、考えただけでワクワクします。

 

参加者の方から、「SDGsは大企業だけではなく、中小企業もコミットできるのでしょうか?」という質問がありました。
特にこの新型コロナウイルスの状況下で、経済活動が停滞したなかで、それだけの負担を負えるのか。
かなり難しい点ですが、兎洞さんは、「まずは何ができるかということを考えるというところからでもスタートすることが大切」とおしゃっていました。
厳しいなかですが、それでも何ができるか考え続ける。これは企業に限らず、一人ひとりにいえることだと感じました。

 

【最後に】
「海から水蒸気が上がり、それが雲になり、雨が降っている
自分の目の見える範囲ですべて起こっている=全体性が存在している
人間が肌感覚で感知できる範囲で存在している」

兎洞さんが屋久島にいらしたときに感じられたことだそうです。
また、教育についてもお話してくださり、兎洞さんが関わられた未来教育会議というなかで考えられた人の一生の育ちは以下の通りとのことでした。

幼 「自分は自分でいい」
小 「自分たちのことは自分たちでできる」
中 「私は社会とつながっている参加している」
高 「私は世界を変えられる」
大 「私は知を創出する」

そして
大人 「私が私と世界を幸せにする」

人が本当に素直に可能性を開花した状態で育ったら、こんな状態になるということでした。

兎洞さんも感じてくださった全体性のある屋久島という環境は、きっとこんな可能性を開花した状態に私たちを導いてくれるのではないでしょうか。
大人の自分たちでも、取り戻せる感覚。

ぜひそんな感覚のなか、自分たちの世界をみんなで作っていきたいと感じました。

 

執筆者:丸山(まる)
屋久島環境文化研修センターのインストラクターをする傍ら、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの副代表理事として活動中。今後は屋久島にある空き店舗を、屋久島の林業の発信基地+親子の集える場としてコーディネイトする予定。

 

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