持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.5

               カテゴリー : レポート

投稿日 | 2021年1月21日(木)

【「イマジン屋久島」オンライン連続講座 ~持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.5高橋博之さん「食の流通」~】

NPO法人HUB&LABO Yakushimaの福元です。
(公財)屋久島環境文化財団で働きつつ、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの代表理事として活動しています。
連続講座の第5回目は、新鮮な食材を生産者から直接買えるポケットマルシェを創業し、食べる人と作る人の関係を、顔の見える個人同士として繋げ「都市と地方をかきまぜる」を使命に活動されている、高橋博之さんをお招きして「持続可能な循環から考える経済のビジョン」を「食の流通」から探求しました。

屋久島が人生を変えた場所

28歳の時に屋久島に来て、台風のおかげで2泊3日が台風のおかけで4泊5日に。たまたま、柴鐵生さんのゲストハウスに泊まり、三岳を三本ほど空けて、どうやって屋久島を守ってきたかの武勇伝を聞く熱い夜を毎晩過ごした高橋さん。
帰りの飛行機の中で「いつまでも東京にいないで、岩手に帰って政治家になる」と決めたそうです。
岩手に帰って柴鐵生さんのように街頭演説をして、岩手県議会議員を目指しましたそうです。
その時に掲げたのが「人間中心主義の脱却」
人間だけが特別だという世の中を変えていかなければ、
人類の未来はないと訴え続ける原点が屋久島。
嬉しい縁を感じました。

炭鉱のカナリア

ポケットマルシェに登録している、農家さんや漁師さんの話から特に今年は、ダイレクトに気候変動の影響を受けている話を聞くことが多いとお話していただきました。
例えば、
海水温が2度ほど高い地域が増え、全国的に養殖魚の大量死
日照り続きの夏、見たことがない病気が
サケが迷子になって帰ってこれない
佐賀で東南アジアの魚を見る
などなど様々な影響が。。。。
高橋さんは、農家さん漁師さんは炭鉱のカナリアだと例えてくれました。
炭鉱のカナリアとは、何かの危険が迫っていることを知らせてくれる前兆を言います。
環境の変化を敏感に感じる生産者。
消費者と生産者が分断される社会では、地球の危機を一番感じている農家さん、漁師さんとの繋がりを取り戻し、リアリティを持って地球の異常を知る必要があるなと改めて感じました。

機械化する人間へ

食事は栄養補給だけが目的ではありません。
コミュニケーションを取る場であったり、旬を楽しみながら自然を感じる。
しかし、現代はエネルギー補給が主な目的に。
特に都会では堅調に感じるとのことでした。
画家、石田哲也さんの
「機械のように生きる人、逃げ場のない人、空虚さを感じる人。」
が本当に現代を表現しているなと感じました。

アイヌの言葉

アイヌの言葉には、【自然】という言葉がないそうです。
なぜなら、自分自身が自然そのものだからという考え方。
言葉の面から見ても現代社会は自然と切り離されていると。
まさに、人間中心社会から自然主義社会へのマインドシフト。
農家さんや漁師さんからよく聞くと言う言葉
「畑は俺だ」「海は俺だ」
自然と人間が分断されていない世界に生きているのが、
生産者だと改めて感じる言葉でした。

人間中心主義からの脱却

行動経済成長を支えてきた【規格と安定供給】
これまでの流通は人間中心主義。
人間中心主義からの脱却を目指すために
食を通して自然と人間の繋がりを取り戻す
それこそが、ポケットマルシェの目指している
食べ物の裏側の生産者の世界とつながることでした。

最後に

安定した消費社会(人間中心主義社会)から
ブレが許容される社会へ(自然中心主義)へ
「人間は自然の一部」
その感覚を取り戻すことが持続可能な社会へつながる重要な道だと改めて感じた時間でした。

高橋さんのもっともっと熱い思いを是非みなさん感じていただきたいと思っています。
以下のリンクも合わせてご覧ください!

リンク:人間中心主義からの脱却~震災後10年を前にして岩手県沿岸250キロを歩く理由〜

https://note.com/hirobou0731/n/n8a2b93f5fd6b

 

執筆者:福元(やっくん)NPO法人HUB&LABOYakushima代表理事/愛ある空気を醸す人
1989年生まれ。鹿児島県屋久島出身在住。「NPO法人HUB&LABOYakushima」代表理事。屋久島出身からやっくんと呼ばれる。家事と育児と仕事の両立を模索中。愛する我が子が「屋久島を大好きだと誇れる」ように環境教育、地域づくりなど日々活動してます。

 

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