持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.3
カテゴリー : レポート投稿日 | 2021年1月21日(木)
「イマジン屋久島」オンライン連続講座 ~持続可能な未来に繋がる仕事や地域を生みだしている大人から学ぶ旅vol.3「気候変動」大岩根尚さんレポート~
NPO法人HUB&LABO Yakushimaの福元です。
屋久島環境文化財団で働きつつ、NPO法人HUB&LABO Yakushimaの代表理事として活動しています。
イマジン屋久島のオンライン連続講座の第3回目は、
自然ガイド、教育、執筆、研究、人材育成、チームビルディングなど、多方面から「人と地球をむすび直す」活動を展開。
近年は気候変動対策や SDGs の取り組みのサポートに力を入れている大岩根尚さんをお招きして「気候や生物多様性から考える環境のビジョン」を「気候変動」から探求しました。
全ては伝えられませんが、エッセンスをまとめてぎゅっぎゅとお伝えします。
気候変動(温暖化)は本当に進んでいるのか?
みなさんも天候の変化が普通ではないと感じてる方も多いのではないでしょうか。
結論、激化する気候災害と温暖化が顕著化していて、危険な状況にあるとのことです。。。
近年の気候災害を考えてみると
2020年7月 人吉水害(熊本県)
2019年 台風19号被害(長野県)
2018年 真備水害(岡山県)
2017年 九州北部豪雨
実際に気象庁のデータを見ると一時間に50ミリ以上の恐怖を感じるほどの雨が増えています。
長い歴史の中での気候変動ではないかとの疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、長い地球の歴史で見るのではなく、今の人間が地球に住み続けられる気候の限界を超えようとしているという話でした。
日本だけでなく、地球上のあらゆる地域で気候変動が進んでいます。
僕が本当に危機感を感じたのが、アラスカの永久凍土誘拐で村ごと移転の話でした。
気候変動は温暖化だけではない。
気候変動と聞くと地球温暖化をイメージする方も多いのではないでしょうか。
近年多発する山火事も気候変動による熱波や乾燥がもたらしています。
アメリカ、カルフォルニアやオーストラリアなどで消火活動を必死で行っていても、勢いがやまず燃え続ける現象が起きています。
その一方、山火事が起きている隣でアメリカのコロラド州では、大寒波に襲われる現象も起きています。
実はこの二つはつながっていて、日本に接近し観測史上最大ともいわれた台風10号の影響であったそうです。
大型の台風の影響でジェット気流が曲がり、山火事や寒波が怒っていて、ばらばらに見えているものがつながっているそうです。
それは、地球温暖化に伴う海水温の上昇による大型台風発生によるものがそもそもの原因だということでした。
2019年の12月に気候学者たちが
「異常気象が新たなステージにきている。異常気象が当たり前の世界になった」
発表をしてしまっそうです。
つまり異常気象が毎年のように起こるということだそうです。。。。
現代の温暖化がどのくらい異常なのか。
地球の歴史を紐解いてみるとどのくらい今が異常なのか。
グラフを用いてわかりやすく教えていただきました。
短いスパンで見ると異常な状態と言われてもわかりにくい地球温暖化。
よく言われる、長期的な気候変動なのではないのかと考えてしまうことを改めて甘かったなと考えさせられました。。。
4万年~10万年周期の気候変動の幅を超えて異常な状態になっているのが良く分かります。
原因は私たちの日常に。
スナック菓子が地球温暖化を招いているという衝撃的な話。
スナック菓子を揚げるためのパームオイルの一部はインドネシアのスマトラ島で作られています。
そのパームオイルをつくるために大規模の森林伐採と焼き畑が続いているのです。
いろいろなお菓子に使われているパームオイル。
お菓子の成分表に記載されている植物油脂はこのパームオイルをつくって作られているそう。
なんと、日本人は一人当たり年間約5キロのパームオイルを使用している計算になります。
さまざまな問題がつながりあっている
身近な「スナック菓子」が気候変動につながっている。
安いスナック菓子(もちろん環境に配慮したお菓子もあるという話)が安いパームオイルにつながり、森林伐採がCO2の増加を引き起こし、地球温暖化につながる。
ただ、それだけでなく森林伐採が動物たちの居場所を奪い、土地の紛争につながり、児童労働につながる。
1つのことがいろいろな要因につながっていることも。
身近なことから気候変動対策へ貢献する
身近な「スナック菓子」が気候変動につながっている。
そこに悲観するのではなく、どうやって付き合っていけばいいのかを考えるのが重要です。
例えば、スナック菓子の1つポテトチップスを例に考えてみます。
屋久島のじゃがいもを使って、屋久島のごま油を使って、屋久島の塩を使ったポテトチップスを食べる。
割高にはなってしまいますが、海を渡った遠くの国から運ぶエネルギーを考えれば地の物をつかったものを食べることがすごく大切です。
問題のループが続いてるということは、どこかに解決するループも見いだせるということです。
「地元のものを大切にする=気候変動の解決する」
その小さな一歩の積み重ねが気候変動の解決につながります。
気候変動を考える上での屋久島の役割
自分と地球(気候変動)のつながりを感じられる場所だと大岩根さんは語ってくれました。
数千年かけてできた森や水の循環を肌で感じることができる屋久島。
本土や鹿児島では感じることができない感覚です。
気候変動への具体的な対策DROWDOWN
ドローダウンはCO2の増加が減少に転じる瞬間のことを意味しています。
今わかっている具体的な対策。
世界を良くする100の方法の一部を教えていただきました。
最後に
大岩根さんの言葉で印象に残っている言葉。
「地球規模で起こっている気候変動が初めて世界中の人々の共通の目的になった」
悪いことばかりのイメージでしたが、
気候変動が自然と共生することを教えてくれ、
人を世界を良くしてくれる。
そんな感覚も感じられる時間でした。
身の丈にあった生活をする。
手の届く範囲のつながりの中で生きる。
屋久島という小さな島だからこそ、循環が感じられるほどのコンパクトな環境から生かされているとを感じるなと改めて感じました。
屋久島と言う島が、本当に「地球の子どもたち」だということを感じさせてくれるんだろうなと、改めて屋久島に住んでいることに感謝できた学びの時間でした。
大岩根さんありがとうございました!
執筆者:福元(やっくん)NPO法人HUB&LABOYakushima代表理事/愛ある空気を醸す人
1989年生まれ。鹿児島県屋久島出身在住。「NPO法人HUB&LABOYakushima」代表理事。屋久島出身からやっくんと呼ばれる。家事と育児と仕事の両立を模索中。愛する我が子が「屋久島を大好きだと誇れる」ように環境教育、地域づくりなど日々活動してます。